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野田の玉川

住所:青森県東津軽郡外ヶ浜町平舘野田鳴川

菅江真澄との関連

【外が濱つたひ(天明8年7月6日〜14日)より抜粋】
過て野田の村に泊をさたむ。村中に小川のふたつなかれたり。そのひとつをいひて、「しほ風こしてみちのくのと、もはらこゝになかめたりし歌といひなかし、仙臺はさらなり、南部路にいふすら、うたかはしと、うら人のいへれと、いかゝあらんか。こゝともこゝろゐされど、月のかけおちてすゝしうおかしければ、見たゝすみて、
ゆふ月のかけこそみつれしほかせの越てふ野田の玉川の水。
しほ風こして氷る月かけ、と、すんして更たり。

【訳】
今津を過ぎて野田の村に宿をとりました。村の中に小川が二つ流れています。そのひとつが
 しほ風こして(汐風が吹きこす)みちのくの
と、能因法師のの詠んだ野田の玉川であるといいます。仙台(陸前国)にも南部の方にも同じ名がありますから、はっきりしたことは申されないと村の人がいうが、どのようなものでありましょうか。玉川が此処であるとも合点がいきかねますが、月の影がおちて涼しく興趣が深かったから、立ち止まって眺めながら
 ゆふ月のかけこそみつれしほかせの 越てふ野田の玉川の水
しほ風こして氷る月かけ、と詠じているうちに夜も更けました。

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